電撃ファイティングクライマックス 対戦相手をスナック感覚でブちぎれさせるゲーム

 今まで格闘ゲームを色々と触ってきたが、一番楽しかった作品は、と問われれば。電撃と答える。何故かというと、あのゲームはキャラ差は確かに存在するのだが、共通システムに全員が理不尽な能力を備えていたからである。

 その理不尽といえばやはりこれ。←A+Bと切り札である・ガードしてたら突然中段くらって舞い上がれー、されたり、画面端で固めてるので突然切り札暴れでHP半分飛んだり逆に負けたりする。筆者はこれが嫌でこのゲームを辞めたのだが、それでもこれのおかげで多少のキャラ差は覆せたのでやっぱりこのゲームは楽しかった。

 

 上位陣の対戦風景を後ろから見ていたら、上の人ほどA連打のクイックコンビネーションを使っていた。下手にABCとコンボを刻むよりA連打したほうが強かったのも好印象だった。キャラによってアシストでのコンボ伸ばしなんかはあったが、基礎コンボはみんなA連打。ここにはそんなにキャラ差は無かった。

 

 そんな中で、誰よりも理不尽なキャラ差を背負わされていたキャラがいる。平和島静雄である。たしか通常攻撃のフレームが全キャラの中唯一一番遅くて、乱舞必殺の発生が無敵で無くアーマーだったせいで一人だけ超必あばれができないという悲しいキャラクターである。エヌアイン完全世界で一緒に遊んでいたガッチョさんが頑なに使い続けているのを見て、陰ながら涙が出る思いであった。エヌアイン完全世界ではエヌアインにキャラ替えしていたガッチョさんが電撃では静雄を使い続けていたのは、やはり、静雄が好きだったからなのだろう。そういうこだわりは、見ていて気持ちがいい。それでもびりびり娘に近づくこともできずやられたり、チンパン! とか言いながら燃えながら突っ込んでくる幼女にめちゃくちゃにされたりするのは堪えるらしく、ガッチョさんはトレスパロ画像を上げていた。それを見て筆者はそのコラが面白くて笑っていた。

 

 でも、あのゲームは小綺麗を装いキャラ差に嘆くことを許さない欺瞞に満ちた格ゲー世界において、あえて汚い暴れを全キャラに搭載し、何でもいいからとにかく荒らそうぜ! というカラーが前面に出ていた。筆者は、それが好きだった。

 今やってもたぶん楽しいゲームだと思う。